WUZIQI — 五目並べ
美しさ、それ自体が理由
← ブログへ戻る

棋史・国際連盟

1988年、連珠に国際連盟が必要だった理由

紙のマス目でも遊べる五目並べに、なぜストックホルムで国際連盟が設立されたのでしょうか。38年にわたる加盟団体の名簿を読み解きます。

古い新聞の一面と碁盤。ルールも組織の記録も、紙の上に残されています。
古い新聞の一面と碁盤。ルールも組織の記録も、紙の上に残されています。

紙にマス目を描いて、五目並べをしたことがあるかもしれません。では、世界選手権を運営しているのは誰でしょうか。答えは盤上の外にあります。国際連珠連盟の本部はストックホルムにあり、現在の会長はエストニア出身です。すぐに始められるゲームに、なぜ国境を越えた組織があるのでしょうか。

1899年、初めてルールが文字になりました

1899年、日本の新聞に初めて「連珠」という名前が記されました。同じ年には、制限を明文化した組織的な対局も始まり、三三が禁手とされました。それまで対局者同士の口約束でも遊べたゲームに、大会で共有できるルールが生まれたのです。

制限は一度に完成したわけではありません。1903年から三三の制限は黒番だけに適用され、1912年には黒番の三三が負けと定められました。1916年には、黒番が一列に5個を超えて並べる長連も負けとなりました。こうして年代を追うと、ルールが徐々に厳密になり、判定も明確になっていく様子が見えてきます。

創設メンバーに名を連ねたソ連

1988年に設立された連盟の創設メンバーは、日本、ソ連、スウェーデンの3つでした。ソ連がその一角を占めていたことは、創設記録から確認できます。ただし、その名称を現在のどこか1か国と同一視することはできません。後の加盟団体の名簿を読むうえで、この違いは重要です。

同じ名簿には、1988年に加盟した複数のソ連構成共和国も記されています。つまり、創設メンバーとしての「ソ連」という項目だけでは、ソ連領内から名簿に載ったすべての名前を表せません。その後、国境は変わりましたが、記録された加盟年は当時を指したままです。

1988年8月8日、ストックホルム

国際連珠連盟は1988年8月8日、スウェーデンのストックホルムで設立されました。設立会議はスウェーデンでTommy Maltellが主宰しました。こうして日本、ソ連、スウェーデンの3つが創設メンバーとして同じ記録に残り、大会の運営を国境を越えて担う組織ができました。

連盟の本部はストックホルムに置かれ、総会は2年に1度開かれます。本部は組織の拠点となる場所であり、総会は各加盟団体が定期的に顔を合わせる機会です。各地で大会を開く競技にとって、場所と周期の両方が具体的に定められています。

第1回連珠世界選手権は日本の京都で開催されました。連盟の設立地と最初の大会の開催地は異なります。ストックホルムは組織の記録に、京都は大会の記録に残りました。この2都市を並べると、決勝戦の結果だけを見るよりも、連盟が当初から担っていた仕事が見えてきます。

名簿に残る1988年

エストニア、ラトビア、ウクライナ、アルメニア、アゼルバイジャン、ベラルーシは、いずれも1988年の加盟団体として名簿に載っています。当時はすべてソ連の構成共和国でした。現在の感覚で名前を一つずつ読むと、記載された当時の政治地図が今とは違っていたことを忘れがちです。

薄く罫線が引かれた記録簿の横に、折りたたんだ手紙が置かれている。線は抽象的で、読める文字はない
加盟団体の名簿も一つの記録です。いつ、誰が加わったかが一つずつ記されています。

ソ連は1991年に解体し、1992年にはロシアがソ連の席を引き継ぎました。そのため名簿には、1988年に加盟したソ連構成共和国と、後に創設メンバーの席を継いだロシアの両方が載っています。加盟年と席の継承は別の記録です。混同すると、この間に起きた変化を見落としてしまいます。

加盟団体の名簿には、記された当時の地理も残っています。

名簿はその後も続きます。中国は1996年、中華台北とウズベキスタンは1999年、韓国は2001年に加盟しました。加盟年から、その土地でいつ人々が五目並べを始めたかは分かりません。一方で、各地の団体がいつからこの国際組織の記録に登場するかは分かります。

チェコ、フィンランド、カナダはいずれも2003年の欄に載っています。続くのは2009年のポーランド、2015年のマカオとトルコ、2016年のギリシャ、2023年のモンゴルです。年代順に見ると、特定の地域だけに広がった名簿ではなく、加盟のペースも一定ではありません。

現在の執行委員会を担う人々

連盟が現在掲載している加盟団体は21です。会長はエストニアのMadli Mirme、副会長は日本のNorihiko KawamuraとロシアのDmitry Epifanovです。創設記録に登場する地域に対応する国々は、現在の役員名簿にも見られます。

事務局長のAivo Ollはエストニア、会計担当のStefan Karlssonはスウェーデン出身です。こうした役職から、連盟には大会結果の発表だけでなく、会議や記録、日々の事務もあることが分かります。加盟団体の名簿が「誰が参加しているか」を示すなら、役員名簿は「今、誰が仕事を担っているか」を示しています。

名簿に載っていない国々

イギリス、アメリカ、フランス、ドイツ、イタリア、スペインは、連盟の加盟団体の名簿に載っていません。だからといって、それらの国に五目並べをする人がいないとは言えません。ゲームが知られていることと、現地の団体がこの名簿に載っていることは、分けて考える必要があります。

アメリカで1977年に発売されたPenteも、別の歩みを示しています。取った石を盤上から除くルールを持つ、五目並べ系の市販ボードゲームです。商品として発売されたゲームと、ルールや加盟団体、大会を軸に活動する連盟では、たどった道が異なります。似た石と連なりを使っていても、組織の歴史まで同じになるわけではありません。

大会日程から見える連盟の仕事

現在の連盟の大会日程には、世界選手権と世界団体選手権が含まれます。2026年の世界団体選手権はアルメニアで開かれ、中国が1位と2位を獲得しました。大会日程には開催地、種目、結果が記され、加盟団体間の交流を後からたどれる記録にもなっています。

2026年の世界ジュニア選手権は中国の大連で開催されます。日程にはほかに、世界ジュニアオンライン杯、通信世界選手権、国際学童五目並べオリンピックも並びます。対面、オンライン、通信対局、そして異なる年齢層に向けた大会。その名称からも、連盟の活動の幅が読み取れます。

連珠のウェブサイトに掲載された最近のニュースには、エストニアのAnts SoosõrvとAivo Ollの署名があります。大会が終わった後も、遠くにいる人へ出来事を伝えるため、誰かが記事を残します。京都での第1回世界選手権から、今も更新される大会日程まで、大会と記録は常に一緒にありました。

盤上に戻れば、石を一つ置くときに見るのは目の前の線と空点だけです。それでも、このゲームがどのように各都市の大会へ広がったかを知りたくなったら、ルールが定められた年、ストックホルムでの設立記録、そして書き継がれる名簿をゆっくりたどることができます。

盤はすぐに用意できます。その歩みは、ルールと名簿を開くと見えてきます。

読み終えたら、WUZIQI で一局どうぞ。